偏芯用カラー再製作によるMTTRの改善
対象物を次工程へ搬送する振動発生装置では、偏芯用カラーの摩耗が急速に進行するため、MTBFが指数関数的に悪化します。特にベアリング部に使用されるカラーは、溶射補修のみでは形状上の理由から角部の欠けが発生しやすく、これによりベアリング部のシール性が著しく低下します。この部品は単体購入ができず、軸と一体での調達となるため、リードタイムの長期化がMTTR悪化の要因となっていました
メーカ製部品の長納期による入手困難
偏芯軸により振動を発生させる装置は、遠心力によって生じた力を利用し、対象物を次工程へ搬送する機能を有しています。遠心力は回転半径の2乗に比例して増大するため、その影響を受ける偏芯軸のカラー部は、負荷に耐える代わりに摩耗という形で損傷が進行します。今回依頼を受けた偏芯用カラーは、メーカーからの購入では納期が8ヵ月と長期化し、MTTR増大の要因となっていました。このため、3Dスキャニングにより偏芯用カラーの形状をプロファイルし、リバースエンジニアリングによる再製作を試みます


高耐久材料での再製作か既設材料での再製作か
MTBFを改善するためには、材質の変更が簡易かつ迅速な改善手法の一つとなります。メーカーから供給される部品はコスト削減の影響もあり、材質選定には耐久試験や繰り返し試験など、多くの検証を経て製品化されるため、その開発コストが製品価格に直結します
今回の偏芯用カラーの再製作では、既設材がパイプ材であることが確認されました。本来であれば、より耐久性の高い材質への変更も可能でしたが、初回の再製作であることから安全性を優先し、既設と同一材質を採用して再製作を行います


安全在庫低減によるメンテナンスコストの削減
長納期部品については、安全在庫を確保しMTTRを短縮することで各種指標の改善が可能となる一方、使用時期が不明な部品を在庫として保有することによるコスト増加が課題となります。これに対応するためには、最低1個の安全在庫を確保するとともに、短いリードタイムで部品調達が可能な体制を構築しておく必要があります。今回の偏芯用カラーの事例では、リバースエンジニアリングにより高精度部品を短納期で調達できる仕組みを確立したことで、余分なコストを抑制しつつ、装置の安定稼働を実現した一例となります
