バイオマス発電所のローターリーバルブ整備
九州地方にあるバイオマス発電所よりロータリーバルブ整備の依頼が入り、整備を分解から補修、組立まで行いました。
現場より報告
とある九州のバイオマス発電所に設置されている、海外製のロータリーバルブの調子が悪いため、整備をすることになりました。ハウジング内部、羽根や軸の状況など可能な限り情報をもらい、現状の判断を行いました。今回は2個のロータリーバルブの各要所の確認を行います。
各ロータリーバルブの外観は全体的に汚れており過酷な状況で長年稼働していた様子が伺えます。回転体の重要部品である軸、そして硬い搬送物を送り出す羽根の摩耗状況、その相手となるケーシング内部、機械内部とベアリング部を隔てるオイルシール、これらの部分を機械工学的視点で確認を行います。
この結果1台目はケーシング内径、軸、羽根などに深刻な摩耗はみられず、内部清掃で再組立と再稼働の許可を出しました。次いで2台目はケーシング内径と羽根先端に深刻な摩耗がみられるため全補修を提案して、当社へ発送を依頼しました。


2台目のロータリーバルブの詳細調査、補修
2台目のロータリーバルブが到着したため詳細に中身の確認を行います。振れの測定から追加の清掃、各部分の嵌合部の確認などを行い、ロータリーバルブが正常に稼働する要素を決定し補修を実行していきます。
今回依頼されたロータリーバルブは海外製となり、独自の視点から補修、組立、調整を行う実績があるため、整備に問題はありません。これまで多種多様な機械や、様々な国の回転機械の整備を経験しておりアメリカ製、ヨーロッパ製にとどまらず、どの国の製品でも整備を行うことが可能です。
今回も、補修には使用環境を考慮した適切な材料を選定して、内径の摩耗には機械加工等を施し延命処置を行い、次回整備の際に素早い整備が行えるように多少の改造を施し組立、調整を行いました。
組立後の微妙な調整に関しては、使用環境下でもベアリングが適切に動作する隙間の調整や、カップリングの丁度よい嵌合い公差を指定し現地での据付と稼働時の負荷を考慮した公差設定をしています。
これらの状況を考慮しながら補修から組立、調整を行い出荷段階へと移行します。


出荷
このサイズのロータリーバルブの出荷はチャーターにて行います。大きさと架台等を考えトラックに載せる位置を検討します。以前同型のロータリーバルブの輸送中に脚の固縛が不十分にて荷崩れを経験しており、固縛に関しては特に慎重に細心の注意を払って輸送を行っています。


海外製のロータリーバルブの整備は交換部品の入手性や仕様書が英語であることや、技術的に国内製品と異なる可能性が高いため、整備を敬遠される傾向にあります。KBKエンジニアリングでは、特にどの国の製品でも問題視はしていません。基本技術を抑えているためそれを忠実に守り、また未知の問題に対しても一旦立ち止まり、基本に立ち返り整備中に発生する問題を解決し整備を進めています。
海外製ロータリーバルブの整備でお困りの方はお問合せ下さい。