給湯器ユニットの改造
鋳物の量産工場において給湯器部分の油切れによるガジリ、焼き付きなどが装置のダウンタイム増加の原因となっており改善して欲しいとの要望をいただきました
依頼を受けた給湯器
メーカーは設備や製品の使用範囲、環境を設定しその範囲内での使用なら保証をしています。しかし生産現場での現実はメーカーの想定している範囲を超えることがしばし発生します。
今回依頼された給湯器ユニットは、油漏れが頻繁に発生しており1~2か月の間でユニットを交換しなければならず装置の稼働率を下げる原因となっていました。
未使用新品と言われ送ってもらった給湯器ユニットを調査し油漏れの対策、改善方法を練ります。
控えめにみても未使用新品には思えませんが、各部品、要素を細かく観察します。
各要素を検討、油漏れの対策を3DCADベースから考案します
3D CADを用い各部品の油漏れの原因となりうる可能性のある部分に対して、対策を行っていきます。また組立時の状況の考慮や潤滑油など機械要素以外からの部分でも対策を行い、なるべく長く使用でき、装置の緊急停止の原因にならないよう広く浅く、重要ポイントは深く観察、対策を検討します。
3D CADから部品作製、そして組立へ
3D CAD上でのAssemblyを行い、干渉や組立不可になる要素がないかなど、多くの部分を事前に検討を行います。この工程で問題がない場合には、いよいよ部品の作製へと移行します。
各部品完成後、組立施工要領書を作製し、組立を行いました。
スプロケットやベアリングなど数多くの部分に注意しながら慎重に組立を行います。チェーンの位置が重要となるため多少の再組み立てを行い微調整をしました。
油漏れによるガジリや焼き付きを防止した給湯器ユニットを納品し、稼働率の増加に寄与することができました。