三菱電機製ギヤードモータの超短納期整備 - KBKエンジニアリング

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三菱電機製ギヤードモータの超短納期整備

近隣のプラントよりギヤードモーター5台の整備を依頼され十分余裕を持った納期で整備を開始しました。分解完了後の客先立ち合いによる状態確認、洗浄、補修、組立を経て出荷を行いました。今回はギヤードモーター5台を2週間で整備した事例を紹介します。

入荷

近隣のプラントが定修に突入し構内の整備だけでは追い付かないため、KBKエンジニアリングへも応援の要請が入りました。今回は定修のため休日の土曜日も工場を開け入荷を行います。客先のトラックが到着し5台のギヤードモーターを順に降ろし所定の場所へ移動させます。

まとまった台数での整備は機械の大きさにもよりますが基本的には可能です。今回は定修の整備になるため出荷日が決定しており、これに間に合うように最善の日程で整備を行います。工場の所定の位置に置かれたギヤードモーターはシリアルや刻印が打たれ分解に向けて準備を開始します。

5台の減速機を所定の位置へ移動し分解の準備を開始します

分解から洗浄、そして寸法測定へ

割り面への合いマーク、ケーシングへのシリアルの刻印を行われた号機から随時分解を開始します。分解を行いながら組立時に必要となるデータや数値の計測を行いながら分解を行います。締め代のきつい部分に対しては手動プレスや火を用いた締め代の緩和を行い分解を進めます。5台とも同一の構造のため核号機の部品が混ざらないように可能な限りシリアルの刻印を打ちながら分解を行います。

分解された号機から随時洗浄ブースへ移動し部品の汚れの摩耗、割れ、腐食の確認を行いながら洗浄を行います。洗浄が完了した号機から寸法測定を開始します。締め代の確認から振れの確認、ベアリング外輪が接触する部分への触診による表面状態の確認から端面の様子まで、デジタルによる寸法測定と人間の五感を用いた感覚による状態の確認まで可能な限り機械の状態の確認を行います。

分解、洗浄を緊急で進めます

納期を考慮した緊急補修

立会の結果客先より当初の1か月後の納品から2週間での納品に変更してもらいたいとの要望があり、緊急補修と不足部品などの緊急注文を行います。号機の中には低炭素鋼のボルトの使用によりボルトの伸びが確認されている号機や隙間状態となり位置決めの役目を果たしていないノックピンなどが使用されていました。これら今後将来的に問題となる部分に対して可能な限り最善を尽くした整備を行います。

補修に関して緊急で補修依頼を行い、ボルトやノックピンに関しては材料選定から熱処理、機械加工までの指示を加工屋さんへ行い最短納期で部品の手配を行います。

これらの補修された部品と必要備品が納期の1週間前に納品され組立へと移行します。

高温合金ボルトを使用し廻り止めとともにトルク締めを行います

組立から納品

組立に関して協力業者への緊急依頼を行い必要人員の招集を行います。経験豊富なエンジニアの元納品に間に合わせるため担当営業も含めた全員で一気に組立を行います。寸法指示を完全に満たした補修品と完璧な公差で仕上げられたノックピン、そして力強くベアリング外輪を固定できる高温用合金ボルトなど使用環境と将来問題の発生しにくい機械になるように組立を行います。

組立を短期間で完成させ客先要望の2週間以内の整備を完了させ最後に塗装も行い出荷を行いました。今回の整備では客先担当者は2週間以内の整備は不可能と思われていましたが、それに間に合い、また機械に良い状態になるように整備を行ったことで大変な感謝を頂けました。

短納期整備にて納期に間に合い出荷を行います

KBKエンジニアリングでは緊急の整備案件に関してもこれまでの経験から可能な限り機械が良い状態になるように整備を行い客先の納期を満たせるように努力しています。

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