化学プラント回転機械用スリーブ製作 - KBKエンジニアリング

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化学プラント回転機械用スリーブ製作

高速回転を行う機械において機械のの中と外を隔てる各シールは軸への強烈な摩耗を与え軸の寿命を低下させます。軸の摩耗を防ぐために組付けられるスリーブは薄型であるほど加工が難しい事が知られています。

薄型ステンレスの高精度加工

低炭素鋼、高炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼、機械部品を製作する材料は様々な材料を用います。これら多くの材料の中でもステンレス鋼は難削材料として知られており、歪が発生しないよう慎重に加工をしなければならない材料の代表格です。リバースエンジニアリングを依頼された製品はグランドパッキンにより表面がガタガタになっており寸法の設定に苦慮しました。使用環境を考慮した適切な寸法の決定と運転時に必要となる幾何公差を考えながら取外品の観察を行い寸法を決定しています。

取外品の表面状態はかなりシール材からの摩耗を受けていることが分かります

使用環境と強度を考慮した嵌め合い公差

緩すぎず、またきつ過ぎず、嵌め合い公差の決定は長年の経験を必要とする大事なポイントとなります。今回支給された既設スリーブは長年の使用により内径部分は摩耗により設計寸法から外れており相手を参考に嵌め合い公差を決定しています。使用される環境が過酷極まりないため軸への処理物の侵入を極力防ぐ改造を行い軸へのダメージを最小限にしています。嵌め合い公差はJISで規定されていますがどの公差を使用するかはその都度検討されるため長年の経験と勘が要求されます。図面のない製品は使用される環境、また分解組立のしやすさ、そして次の整備まで問題のない製品をお返しする責任があると考えています。

内径の逃がしは接液により腐食していますが締め代の上下部分に腐食は見受けられません

様々なステンレス鋼

一言でステンレスと言えど数多くの種類があり使用される環境を考慮し適切な鋼種を選択する必要があります。SUS304に代表されるオーステナイト系ステンレス、硬さに重点を置いたマルテンサイト系ステンレスなど様々なステンレスが存在します。今回作製したスリーブは過酷な環境下で使用されるため、耐腐食性の高いステンレス鋼に熱処理等を加えて製作しています。ルーツブロワーなどでよく使用されている高炭素鋼や合金鋼とは異なり耐腐食を最重要に考える場合はステンレス鋼を第一選択肢として考える必要があります。

外径にメッキを行い締め代と逃がしを考慮しながら製作を行いました

高精度の機械加工から、適切な嵌め合いを考慮した公差の設定、使用環境を考慮した材質の選定から熱処理に至るまで多くの点を考慮しながらリバースエンジニアリングを行っています。回転機械の整備経験が今回のスリーブ製作にも投入されており、納品したスリーブが問題なくその役目を果たしていることを確認しています。

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