巨大部品のリバースエンジニアリング
適切な材料、適切な工程、そして図面の要求を完全に満たす機械加工、図面に描かれている部品は製作されるだけではなく、図面の意図を読み解き使われる環境を想定した加工必要となります。図面寸法と幾何公差を満たした製品は回転機械の性能を決定する大きな要因となります。
図面がない部品の再製作
図面はあるが製作できない、担当者が定年退職して製作方法が分からない。数多くの分からないから今回の部品は製作を開始しました。客先で使用され整備のために入荷した製品が今回の再製作の頼みです。大まかな図面は客先より支給されていましたが、残りの必要部分に関しては、これまでの経験を活かしながら運転時に問題の発生しない加工を目指します。
今回の機械は製作に必要となる完全な図面が存在しないため、多くの情報を既設の部品から拾い上げながら図面を仕上げていきます。

大型部品の取り扱い
大型部品の取り扱いは慎重にならなければなりません。取り分け機械の金属面同士が接触する部分に関しては細心の注意が要求されます。適切なアイボルトの利用からスリングやワイヤー、そしてチェーンブロックの取り扱い方法と製品に傷を付けることなく適切な移動や反転を行う必要があります。
今回の大型遠分離機の部品は機械加工面が軸の裏面に位置しており、海外へ輸送するため安定した面を下側にする必要があります。この反転作業を様々な吊り具を利用し行った瞬間の写真になります。大型部品の製造から加工輸送まで日々の経験を利用しながら対応していまう。

強度を考慮した鋳造からの製作
今回製作を行った軸付フランジは大型部品のため鋳造により大まかな形を鋳込みその後機械加工により仕上げています。大型の機械部品は強度や形状の観点から溶接構造ではなく鋳込みを優先すべきです。特に遠心分離機の部品は高速回転と処理物から由来するねじりトルクを受ける部品は強度を最優先にしなければなりません。

今回の部品も同様に木型から鋳込み、機械加工、仕上げから組込まで全工程を担当し納品を行っています。図面のない部品や既設部品しか存在しない製品などをリバースエンジニアリングの知見を用いてサポートしています。