減速機整備 – ウォーム
大きな減速比を得られて、高負荷に耐えること、多くの特徴を持つウォーム減速機の整備について、改造や補修などの依頼を受けています。倉敷ボーリング機工との間で行う、嵌め合い部の溶射や、用途、納期や金額を考慮した最善の補修などを行なっています。
ウォーム減速機分解
搬入されたウォーム減速機です
水の侵入があるとの報告がありましたが、内部に明らかな腐食はみられません
ウォーム軸を確認すると、歯面に腐食のような跡がみられます
構成部品をすべて取り出した後、オイルの確認をすると水が入ったと考えられる様相を呈していました
構成部品の検査、補修
入力軸の検査を行ない、打痕が認められたことから補修を行う必要があります
整備頻度、使用環境や水の侵入を考慮して材質の選定を行ない、倉敷ボーリングで溶射しました
出力軸の検査も実施。オイルシールの跡、およびサビが認められたため、補修を行う必要があります。腐食が激しい部分は底面から、水の侵入は確実であろうと推察しました
入力軸と同様の検討を行ない、材質を選定、溶射補修を行いました。工程中に腐食もきれいに処理しています
ケースの外輪嵌め合い部も補修が必要な様相を呈しています
ケースが2つに割れるような合わせ面であっても、写真の様にきれいに補修することができます
使用環境、搬入された機械や部品の状態、コストや納期など、補修を決定する様子は多岐にわたります。今回は水の侵入による腐食についての対策、次回までの整備期間などを考慮して材質を検討しました。通常は使用しない特殊材料でも積極的に選定して、使用者にあった部品補修を行なっています。
ウォーム減速機組み立て
補修した部品を持ち寄り、測定する要素を確実に押さえたうえで組み立てを行っています
水浸入の対策も行ない、同じ不具合の発生を抑止するような部品選定、改良を施しました
不具合に対応
搬入された機械が元通りに動くことを大前提に、機械を使用する上での不具合に材料、構造や機構など、様々な項目を検討しています。使用期間や整備の頻度、機械の重要度とコストは当然要素として検討され、機械工学、材料工学、さらに使用される処理物の物性も考慮した上で補修の方法は決定されます。今回は水の侵入について対策することを主眼に置き、部品の選定、補修を行いました。