分級機と粉砕機の整備 - KBKエンジニアリング

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分級機と粉砕機の整備

衝撃により粉体を粉砕する羽根と、回転により発生する気流により粉体に力を作用させ、分級する分級機。両方の機能を合わせたミルについて、振動が大きく異常停止すると相談がありました。不安定な挙動のため、2週間運転しただけで異常停止していたようです。そのため目的とする粒径や、粒度分布のバンドを得られていない可能性が高く、振動の要因調査、悪い部品の補修を行い、装置の安定化と、品質向上を目的とした整備を行いました。

分解して内部を確認

分級機分解前
搬入された分級機です
搬入された粉砕羽根
搬入された粉砕羽根です
ミル分解中
グリスが炭化しています。相当の発熱量と考えられます
ミル分解完了
分解が完了しました

各部品の検査と検討

分級軸
分級羽の軸。ベアリング、オイルシールの嵌め合い部が摩耗していました。補修を行いました。
中間軸
粉砕羽根の軸も、ベアリング、オイルシール、カラーの嵌め合いが摩耗していました。補修を行いました。
分級羽根
内径嵌め合い部の不良、回転に対する安定要因となる部分にも不良がありました。
粉砕羽根溶接不良
粉砕羽根。羽根板とピンの溶接部分が複数割れていました。嵌め合い部にも不良がみられました

その他カラーや、軸受外輪を支持するケースにも不良がみられたので補修をする必要がありました。

部品補修後

分級軸補修後
ほとんどの部分を補修しています。嵌め合い部は新品に近い状態となりました
粉砕軸補修後
粉砕軸もほとんどの部分を補修して、新品同様になっています
カラー補修後
オイルシール嵌め合い部のカラーも補修しています
新品部品
使用部品もより安定するようにオリジナルのものから変更しました

グリスが炭化しないよう、日々のメンテナンスでグリス給脂を確実にするための対策を軸に対して行ない、グリスが製品に混入しないようにすための粉砕軸の改造を実施して品質向上を図っています。また羽根には動バランス修正を実施して振動の抑制を行ないました。

組み立て完了

ミル組み立て完了
外見は変わりませんが、内部は改造と補修でオリジナルとはかなり構造が異なっています

整備の目的はその機械が製造する製品の品質向上です

機械が元通り動くことを大前提に、整備はその機械が携わる工程で生産、処理する製品の品質を整備前より向上させることを主眼に補修を行っています。今回は異物の混入を低減させること、炭化させるほどの発熱を減らすこと、振動を抑制する3つの補修を行いました。その機械が携わる工程で、定められた規格値の中で変動する管理限界を狭め、より品質の安定した製品を製造できるよう機械を整備しています。

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