振動を発生させる加振機の整備
回転機械は構成する軸受などの部品を長く使用できるようにするため、回転運動によって発生する振動を抑えることが一般的です。整備工程に動バランス修正を行うことで、長期間安定した稼働を維持しています。ところが、中にはわざと振動を起こして製品を運ぶ振動機といわれる機械もあり、今回はその整備について紹介します。
加振機を分解して点検
蓋を開けた限りでは、特に異常な部分はみられませんでした。さらに各部品の分解を進めます
不良部分がみられた部品の補修
振動を起こすことが目的の機械の特性と、部品検査から得られた嵌め合い部の負荷状況を総合的に判断して補修方法を検討しました。メッキによる補修と溶接肉盛りによる補修が最も効果的と考え、それぞれの部品に補修を施工しました。
補修後の組立
特殊用途機械にも適切な補修を行っています
本来なら振動を抑制することで長期の安定稼働を目指すこと多いですが、今回は意図的に振動を起こさせる機械の整備を紹介しました。嵌め合い部に対してもその特性を考慮した補修を行うことで、常時振動を発生させるような機械でも、安定した操業を可能にすることができます。